中国人が支えるラグジュアリーブランド

「中国人の購買世界シェアは4割を超えていて、販売動向が常に本社から注目されている」

 

欧米のラグジュアリーブランドに勤める友人が語っていた話である

これは単純に販売量が多いというだけでなく、中国人が旅行で行く先の国も影響を受ける。つまり各国のバイヤーが「中国人の好み」を意識した形でのアイテム選びにどうしてもなるということである。

 

ところが難しいのが日本。日本にも中国人旅行者は多数来ているわけで、その中で同様に中国人の好みを意識したデザインのものを選びたいところだが、そこまで振り切った判断がなかなかできないそうだ。

これは社内事情なども影響してそうだが、全体バランスを考えがちな日本人の思考パターンも影響しているように感じる。

 

さて上記で言う「中国人の好み」というのは一義的には個性を重視する中国人が選びがちな派手なデザインを指しているが、最近はその傾向も変わってきているように感じる。

日本では既に撤退したブランドも含めて恐らく世界最多のブランドが進出しているため、多数の選択肢がある。また中国ローカルもコピーブランドとは言えないぐらいレベルを高めているブランドもある。無印良品のようなシンプルデザインを好む層も出てきている。

つまりは圧倒的な選択肢があり、海外に赴いて刺激も受けている中国人が洗練された格好をするようになってきている。上海などではカラーバランスのレベルが相当高くなっている。

こうした状況下で「中国人は○○」というステレオタイプな考え方は危険で、細分化したマーケティング戦略が必要だと思われる。